デザイン
~ 簡素美の結晶 ~
国産材(杉・檜)を使った建具は古民家や和風住宅をイメージされることが多い。
我々が目指したのは、柱と梁の構造材だけで造り上げられた桂離宮の簡素な美しさです。
新日本のモダンな住まいをコーディネートするために、華美な装飾を取り去って素材の良さを活かした建具にしました。
「商標・実用新案・意匠・特許」登録
■時を超えるデザイン
平成20年京都工芸繊維大学の山本建太郎教授と共に開発に着手
「日本の伝統と住文化に新しい感性を注ぎ込み、百年使っても飽きのこない建具」を目指した。
実施設計段階では新しい加工や仕口を開発し試作を繰り返した。
グッドデザイン賞(※1)やウッドデザイン賞(※2)を受賞しています。
※1 くらし、産業、社会をより豊かなものへ導くものに与えられる国内最高のデザイン賞
※2 木の良さや価値を再発見させる優れた製品や取り組みが表彰されます
■絶妙なバランス
「細かなディティールまで拘らないといいデザインにはならない」との考えで各部材を徹底的に見直した。
美しいデザインには縦框と横桟、組子の巾と本数をどうバランスさせるかがポイントになります。
何度も検証を繰り返しデザイナーの描くイメージに合わせられるよう、0.5ミリ単位で調整した。
中でも組子の幅と隙間の幅は重要で絶妙なバランスで調和させた。
飾り面を削ぎ落とした造形は国産無垢材の良さ、美しさを最大限に引き出しています。
日本にしかない簡素で飽きの来ない感性をご堪能ください。
■繊細美
フラッグシップ「漣REN」を基軸としたすべての建具デザインは縦の直線ラインのスマートさと日本の繊細さを特徴としています。
例えば「新きざみシリーズ」では左右の縦框と組み合わされる上桟、下桟に縦スリットを入れて横のラインを目立たないようにした。
ガラス見切りも角面を取って8ミリ巾を最小限サイズの3ミリ巾に見えるよう工夫しています。
「STC縦格子」の二層構造のツインカーボにはヒゴを入れ、杉の柔らかな素材感とすっきりとしたイメージを強調しています。
ヒゴは極力、柾目を正面方向に向けてよりスタイリッシュな印象にした。
杉の赤味材と白味材をバランスよく組み合わせることでシンプルな中にも自然な揺らぎを感じる、日本らしい細やかなセンスがデザイン性を高めています。
外からの明かりを入れたいリビング空間などにお使いいただくと日本らしい室礼に誘います。
■ピン角面
日本が固有の文化を育んでいたところへ飛鳥時代(千四百年前)になって中国から唐様が入ってきた。
さらに明治初期にはヨーロッパ文化が積み重なって今の日本デザインは作り上げられています。
私たちは“侘び寂び”に通じる飾面取り払った簡素な造形を復権したいと考えました。新感覚を加えた新時代の“ピン角”デザインをご堪能ください。