耐久性
~ 百年後まで動き続ける ~
長年にわたり狂いのないことや開閉に支障のないこと、そして時とともに美しさが増し飽きの来ない商品をつくりたいと考えました。
簡素でありながら上質な「デザイン」と、選び抜いた日本の本物「木材」と、日本の職人が培ってきた「技術」をより高度化して、百年の時を家族とともに超えていく建具をつくります。
■反りの研究
百年耐久建具には反りの原因解明と対策も重要です。
当社では「岡山県森林研究所」と共同で「反り」の研究をおこなっています。
建具の表と裏の温度と湿度を変化させ、反りがどの場所に、いつの時点でどれくらい発生するか調査し対策を検討しています。
これによって不具合の発生はごくわずかとなっておりますが、充分ではありません。仮に起った場合もどのような状況になると元に戻るかも調査します。
下のグラフは塗装ドア(左図)に比較し無塗装ドア(右図)の変形が大きいことを表しています。
湿気の吸放出が抑えられることで狂いの少なくなることが解明されています。
■構造の開発
木の収縮は接着剤で貼り合せても塗料で塗り固めても止められません。
動きが建具全体に影響するのを防ぐには部材と部材の間に緩衝する隙間を設けることが必要です。
しかし空間を設けると接続面積が少なくなって繋ぎ目が弱くなりぐらつきが出てきます。
素材の伸び縮みの影響を抑えながら強度を確保するために機械メ―カーの協力で特殊構造を開発しました。
弊社の建具は自然との共存を基本にしており、“SDGs”の基本理念にも合致しています。
■徹底した含水率管理
商品の変形によって建具が動きにくくなるのを減らすためには木を安定した水分状態にする(これを平衡含水率という)ことが重要です。
製材後、自然乾燥を1ヶ月以上おこなったあと乾燥室に2週間以上入れてゆっくりと水分を抜いていきます。
最後に養生期間を設けて安定させます。
仕上がった木材は自動の含水率検査ラインで小さな端材まで全量チェックします。
これにより建具変形の不良はよりゼロに近くなっています。
■職人の感性と刃物切れ
木取り材(丸太を製材した後、必要寸法に挽きなおした材)の選別は品質に大きく影響します。
職人が木目や色をチェックし、色の濃いものを見えにくい所に使ったり、安全な特殊水溶液で優しい色にして資源を大切に使います。
刃物は杉と檜に合わせて角度と材質を選定しています。
夏目の少し柔らかなところも、硬い冬目も平滑に削ります。枠の仕口や金物用加工も切れの良い刃物で正確に加工するので、組み付けや金物セットはグラ付きがありません。
この高度な技術は日本の職人ならではです。